IK ARC2 【道具03】

IK Multimedia ARC2。小規模スタジオのコントロールルーム向け音場測定・補正ツール。うちはこれで部屋鳴りとスピーカーの癖を補正してます。

人それぞれ聞いている音って違うんですよね。
耳の個人差もそうだし、ヘッドホン、ラジカセ、カーステレオなどなど、それぞれものすごい数の製品があって。鳴らす場所でも音が変わります。
だから同じCDを鳴らしたとしても、いつでもどこでも同じ音なんてないんですね。

音を届ける立場の人にとっての良い音って、全部の音がまんべんなく聞こえる、標準的でフラット(平坦)な音。
音をお届けする立場の端くれをひっそり彷徨うおれも、やっぱりできるだけ良い音を聴きたいです。

いわゆるオーディオ愛好家の方のようにルームチューニングとか、スピーカー選びとか、そんなことに時間やお金をかけるにも限界があります。
そんなことより、先人のよい作品を探して聴いたり、自分の楽器を練習をしたいです。

ARC2の専用測定マイク「ARC2」は音場補正ソフトと専用測定マイクのセットです。

まず測定ソフトとマイクを使って計測。
リスニングポジションになりうる16点で、マイクスタンドを都度移動しながら計測していきます。
あらかじめ場ミっておいた場所にマイクを立てて、スタート押したら3秒以内に速やかに隠れる!
「ボワィッ!ボワィッ!ボワィッ!」みたいなテストトーンが左右それぞれのスピーカーから出て、それを拾って結果を診てる様子。
それを16回です。「マイクずらして、ポチして、隠れる」を16回。30分くらいでしょうか。

指示通りにマイクゲインを設定すると結構でかい音。うちは街中のRC造集合住宅ですから、計測できる時間は限られます。
家族が不在で、車通りが少ない、近所迷惑にならない時間帯って、なかなかないもの。
計測結果をファイルとして保存します。複数のスピーカーがあれば、それぞれ測定して保存。

計測結果のファイルをDAWのプラグインの補正ソフトで自動的に読み込んで補正します。

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限りなくフラットにする以外にもいくつかプリセットがあります。有名どころのスピーカーや、ルームシミュレートのようなことができる。補正結果が好みに合わなければ、パライコでお好みに追加調整して別に保存もできます。

補正ソフトはDAWのプラグインとしてマスターチャンネルの最終段にインサートします。
元の周波数特性と補正結果が表示されていますが、限りなくフラットになるよう補正されている様子が見られます。

肝心の補正結果。なかなかです。
第一印象は「明るい!」と感じました。正確には「明瞭」と表現すればいいのでしょうか。低音から高音まで「はっきり聞こえる」音になりました。うちの場合は元よりもハイもローも出て、ワイドになりました。
共鳴して無駄に飛び出していた音や、吸われたり打ち消されてしまった音がバランスよく鳴ってくれるようになるから、とっても豊かな音に聞こえます。フラットな音って、こんなに豊かなもんなのかとちょっと感動。
定位感もかなり向上してます。もとは音の高さによって左右に寄ったり行方不明になっていたセンターの音が、ほぼど真ん中に来るようになりました。
少し滲んでいるように感じるのは補正の限界でしょうけど、ここまで直せるってだけでも驚き。

この環境なら、自分の腕次第でバランスよくミックスができるはず。勘でやってた部分を聴いた通りでやれる分、とってもミックスしやすくなりました。

測定マイクも、いろいろ流用可。
ちょっと前に三味線録る機会があったんですけど、試しに使ってみたらなかなかいい感じ。無指向性って近接効果がないからEQ要らずな素直な音で録れます。コツを見つけながら要所要所で使おうかな。

モニター選びや、ルームチューニングのコストを考えると、経済的で効果てきめん。お気に入りのツールです。

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