佐藤匠「Autumn」レコーディング

佐藤匠さん「Autumn」

函館在住のフィンガーピッキングギタリスト佐藤匠さんのニューアルバム「Autumn」。前作「Invisible」に引き続き、今回もDecco Musicのスタッフとしてエンジニアを担当させていただきました。先日ミックス、マスタリングを終えてのレポートです。

録音は6月末、札幌芸術の森です。奥の方にあるレコーディングスタジオではなくて、アートホール内にあるリハーサルスタジオ「中練習室」でのレコーディング。機材はすべて持ち込みです。
マイクを合計8本使用しての、クリックなしオーバーダビングなしのソロアコースティックギター作品。ガラス越しのコントロールルームもありませんから、スタッフも息を潜めての収録でした。

ギターインストラクターとしてもベテランの匠先生、もちろんギターの腕は一流ですが、その奏でられる旋律が情緒的で素敵なんです。アルバム「Autumn」は9月11日リリース。記念ライブが函館で開催されます。みなさんチャンスがあれば是非聴いてください!

秋をテーマに奏でられた今回のアルバム。短い夏が終わり、次第に深まっていく北海道の秋の景色をイメージさせてくれます。ひらひら風に舞う色とりどりの木の葉、金色に輝くススキの穂、厳しい季節の始まりを告げる雪──。アルバム「Autumn」は、秋の夜長をゆっくり過ごしたり、行楽のBGMとしてもオススメです。秋の味覚もきっとより美味しく感じることでしょう^^

夏まっさかりの時期のミックスなのに気分はしばし秋モードに。ここらでちょっと短い夏を取り返したら、これからリリースされるアルバムをゆっくり聴き返したいです。

使用されている2本のギターはそれぞれフジイとソモギという世界有数のビルダーの特注品。これがどちらもとっても豊かで煌びやかな音がするんです。初めてその音に触れた時、こんな音が出るギターがあるのか、むしろこれがギターなのかと驚きました。
今回この2本のギターのキャラクターを活かして統一性を持たせた音づくりをしているので、お聴きの方は曲ごとに使われたギターを聞き分けることができるかもしれません。

音響について

YAMAHAの小型デジタル卓01V96iをProToolsのインターフェイス/コントロールサーフェイスとして使用しました。

_IGP8640メインのオンマイクはAKG 414EBを2本、少しオフ目にAKG C451Bを2本、ボディ裏を狙うU87Ai。広い中練の響きを取るために対角線上の壁に向けてRODE NT5をXYで設置。
使用する2本のギターそれぞれの個性が出るよう、マイク位置は変えず固定しています。

編集後、今回は統一感と言うよりまさに統一するため、すべての曲を1つのセッションデータにアルバムの時系列順に並べてミックスしました。ボリュームフェーダーは曲中一切動かず、2本のギターそれぞれ共通のEQ、曲ごとのリバーブをオートメーションで切り替えていきます。NT5で録った残響は結果的に使用せず、レキシコンの往年のモデルを再現したリバーブプラグインを2種使用しました(NI RC24/RC48)。曲ごとの音量調整、マスタリングプラグインで処理してしまってバウンスしました。マスタリングはDSP Quattro 4を使用、トラックの頭と最後の調整、曲間とCD-TEXTの入力のみ行い、DDP形式で納品となりました。

びっくりするほど豊かでキラキラな2本のギター。その音を余すことなく録りたくて、前作から引き続きの試行錯誤でした。前回よりも素直で優しい音を目指してミックスしましたが結果はどうでしょう。ぜひ聴いていただきたい作品です。

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