元ボーカリストのサラリーマンの日常と、その恋人とのラブストーリーが主軸の映画「心のアンテナ(仮題)」。ラブシーンあり、爆破シーンありというこの映画は、実在しない架空の産物。
自分の音楽の大きな礎になったのは学生時代から4年半続けた「ミュージカルの音楽制作」です。ストーリーに沿って作曲・構成する。自分の思うがままに作っていくのと比べると、いろいろ制約があったりします。でも、物語の場面や登場人物の台詞にシンクロし、感情の起伏を増幅していくのは、本当に面白い。
「この場面、泣けるよね。泣かしちゃおう!」と思ったら、まずは自分が泣くまで作曲します。自分の感動をできる限りおすそわけするつもりで作っていました
架空のサウンドトラック。メジャーアーティストがしばしば用いるコンセプトアルバムの手法のひとつでもあります。計画を具現化するにあたり、まずは元ネタになる脚本(簡単なあらすじ程度)を書きました。
映画「心のアンテナ」は、元バンドのボーカリストのサラリーマンが主人公。就職後しばらくして、彼は社会人の現実、責任や時間に押しつぶされたのか、感情が次第に希薄になっていきます。何をやってもつまらない。美味しくも不味くもない。疲れてるし、まあいいか。…ついに主人公は音楽を作れなくなり、恋人ともすれ違っていきます。
仕事が忙しいから?そんな理由じゃないと思う。この心理状態、自分自身の体験をもとにしています。自分の感情が豊かじゃなきゃ、何かを作ったり表現したりなんてできない。ちなみに、他の設定は作り話。自分がモデルではありません。
物語では、主人公はある大事件をきっかけに自分を見つめなおすことになりますが、そんな事件は自分には起こらないし、起きて欲しくもない。自分で乗り越える。当初、この作品はそのための創作活動という意味合いもありました。
その後、覆面作詞家「雨男」や、舞台音楽制作の経験があるベーシスト「Q」と曲づくりを開始。現在、かねあいの二人やボーカリストの太郎氏などを迎え、レコーディングを続けています。かねあいはそれぞれ、金井さんがボーカル、相馬くんがアコースティックギターなどで参加してくれています。
全11曲のアルバム。だいたいの曲が形になっていますが、作品全体の完成はまだ先。完成に向けて地道に作っていきます。
※この文章は、ボーカルユニット「かねあい」が発行する雑誌「かねあいの穴」に寄稿したものの抜粋です。