これはごっこ遊びなのだなあと思う。
それも壮大で真剣なやつ。つくづく、ごっこ遊びが好きなんだと。
でも、その妄想の規模に、これが遊びなのを忘れがちだった。
これは、うそんこの楽しい遊びなのだよ。
なんだか枠にはまってしまっていたことに気づいた。
俺が一人でつくった音楽は小さい。
架空の映画「心のアンテナ」O.S.T.は、音楽仲間の協力を得て作っている曲と、俺が一人で作っているインストの曲がいくつかあります。
みんなで作った曲は、本当にみんなの力のおかげで、形になってます。
でも、ひとりで作っているインスト曲が、しょぼい。
理由は、一人で作ったからに他ならない。
いろいろ思い出したり思ったことがあります。
──学生時代。
就職活動の一環で、市内にある某ゲームソフト会社の音楽制作の審査を受けたことがある。書類・自由作品での1次審査をすんなり通過し、当時、学校の事務方でなにやら話題になったらしい。でもオチがあって。学校の「恩師」から聞いた話なのだけど。
1次審査通過は、その某社の音楽制作責任者の意向で取り消しとなった。俺は当時、恩師が代表を務めるアマチュア劇団の舞台音楽を作っていたんだけど、その舞台公演を、その某社責任者さんが観客として見ていたらしい。
で、恩師といえど担任ではない「恩師」に直接電話をくれて、こうおっしゃったとのこと。多少の脚色・演出が入ってるのかもしれないけど。
「モリタくんの名前を見て、まずいと思った。彼はまだここに来ないほうが良い。
今はもっと、「大きな音楽」を作り続けてほしい。だから、私の一存で申し訳ないが、取り消しとさせてほしい」
大きな音楽…?はぁ。
当時の俺には、実感のない言葉でした。要は落ちた。落ちたことが残念でした。
──今週。
縁あって、ある舞台音楽の編曲を1曲、任意のボランティアという形でやらせていただいた(ほかの方が作曲された曲の伴奏を作りました)。
ポピュラリティ、汎用性、互換性に縛られない、演出効果つまり観客の感動を呼び起こす動作だけを考えた、舞台で演奏(再生)される楽曲。そのダイナミズム。ほぼ5年ぶりに、そういう音楽に触れる機会を持った。
で、びっくりした。ひさびさに会心の出来。そんな手ごたえ。5年前より舞台しているかも。
今の自分なら舞台音楽ならこれぐらいやれるものなのかと。最近の自分ではないみたい。魔法にかかったみたい。この勢い、ひょっとすると今までで初めてかもしれない。大げさかもしれないけど、それぐらいエキサイティングなのです。
良い舞台を見せてもらったお礼のつもりで、団員の皆さんに聴いてもらえればよしと思って作ったそれは、本番で使われることになりました。
大きな音楽。一瞬かもしれないけどその姿が見えたかも。
沸きあがるような抑揚。傍から見てる動きの表現じゃなく、自分が動くときの感触というか。
一定速度から一気に加速・減速するとき、大きく振りかぶって段差を上るとき、そして徐々に降下し沈んでいくときに感じられる慣性、惰性、遠心力。
音の重力。
MIDIや宅録では、抑揚がなかなか表現できないものです。ちまちましちゃう。
素人ほど音量の大小を平坦にしちゃったり。逆にいろいろ知り始めても、デジタルの限界である0dbの器に如何にして突っ込むとか、そういうことに翻弄されてしまったりする。俺のことだけど。
5年前の現役当時できなかったことが、今回は少しできたかもしれない、そんな手ごたえ。そしてここ数年ずっと、自ら線引きをして小さく押し込めてしまってたことを改めて実感した。
今取り組んでる音楽とはジャンルが違う、と言えばそうなんだけども。
でも、今やってる音楽にだって、ちゃんと音の重力はあるんじゃないか。表現できてないだけで。
そして、もうひとつ。
俺って作曲よりも編曲のほうが得意なのかな、と思った。
俺のメロディが稚拙なことについては、正直に認めたほうがよさそうかなと。
でも、わかった上で敢えてやろう。作り続けます。
むろん、俺は「心のアンテナ」を完成させるのが最優先。舞台音楽はその1曲だけにして、来週から再び、アンテナ創作に戻ります。つかんだこの勢いを忘れず、「心のアンテナO.S.T.」に活かして、完成を目指す。
大きな音楽をやろう。
ご縁に本当に感謝。
コメント (6)
頑張って下さい。応援してます。
yasuko | 2006年09月22日 20:41
日時: 2006年09月22日 20:41
自分の弱い部分を認めたとき、周りの人の力に自分がこんなにも支えられていたんだ、って気づいたとき、今までの自分とは違う何かが生まれる気がします。
・・・齢28にもなると、いろいろと転機が訪れるものなんだろうかね。
最近私もご縁に非常に恵まれて、周りの皆さんに感謝したい気持ちでいっぱいだよ。
ここ数日お礼の電話をかけまくっています。
モリタさんにも少なからず影響を受けているのだよ♪
ありがとう♡
奏 | 2006年09月23日 03:28
日時: 2006年09月23日 03:28
自分が動くときの感触。...それは、凄い。
なんとなく(ほんの少し、かもだけど)わかるような気がする。
僕は、今回は観に行かないつもりでいます。
曲を聴けないのは残念だけど。
でも僕の方も、ほんっと〜に、ぼちぼちだけど、
曲を作るための準備を、少しずつやってます。
夏に、新しくPC組みましたよ。音楽用(とあとグラフィック)の。
僕も、(なんか、妙な?...感じではあるかも知れないけど)
モリタさんと縁があったことに、感謝しています。
これからも、陰ながら、応援させていただきます。
meguro | 2006年09月23日 05:52
日時: 2006年09月23日 05:52
公演の音響を手伝って来て、今やっと落ち着いたところです。
みんな、読んでくれてありがとう。
>yasukoちゃん
ありがとう!今日もがんばって来たよ!みんなもすごかった。
これからも、自分のペースでこつこつやって行きます。
>奏ちゃん
ありがとう。
相馬が言ってたけど、弱いことを知る強さ、ってのもあるね。
縁と言うのは自分が引き寄せたものでもあります。
その縁に感謝するとともに誇りに思うよ。
>meguroくん
俺も、ほんの少しかもだけど、だよ。
今回は本当に彼らの熱さに突き動かされた。
俺の曲ではなく、彼らの曲だったからできたんだろうと思う。
彼らの重力が俺に伝わって来たのです。
彼らはすごいよ。
ありがとう。俺もmeguroくんを陰ながら応援します。
モリタタケフミ | 2006年09月23日 21:32
日時: 2006年09月23日 21:32
私も、たけちゃんとの出会いに感謝します。
たけちゃんの音楽は大好きです。
心からそう思ってます。
久しぶりにミュージカルを見に行きました。素直に感動しました。彼らが本当に素敵だと思ったよ。昔の自分を思い出して悲しくなったよ。自分勝手な自分にね。自分は、ステージの上にいる彼らのようではなかったから。
そのときには、そのときなりの思いがあったから。。。
でも、今日の講演で最後に久しぶりに会った彼らが笑顔で「ありがとう」って言ってくれて、なんとなく抱いていた、わだかまりの感情が解けた感じがしました。
覚えていてくれた彼らに私もありがとうって思ったよ。出会いに感謝!
今はもう、踊れないけど、私はデザインのステージで頑張りたい。人の器は、それぞれだけど、少しずつ大きくなるもんだって思ってます。
たけちゃんの言葉に感謝します。
頑張る人を応援したいし、何かできる事があれば助けたいと思ってます。(何もできないかもしれないど・・・)
それほど、私は嬉しく思ってます。
頑張ってね!!
kumi | 2006年09月23日 21:34
日時: 2006年09月23日 21:34
>kumiちゃん
ありがとう。
そう言ってくれるkumiちゃんにも感謝だよ。
彼らは「こんな俺たち(引用:当時の台本)」を誇りに思っていてくれてるんだ。すごいうれしい事だよ。
そう。もう彼らは俺らがいたあの時の劇団ではない。
でも、俺らもまた、それを誇りに思っていいんだと思うよ。
内輪だけど、KAGUYAのアルバムの4曲目を聴いてください。
たった今聴いたら、すごくちがって聞こえるんだよ。
今日、偶然この曲作ったあのこから、電話が来た。
これも本当にすごい縁。
モリタタケフミ | 2006年09月23日 22:00
日時: 2006年09月23日 22:00